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裏話その弐
「大切なこと」
ある中学生のお母さんとの会話の中で、自分の子どもが学校のテストの答案の採点ミスを自己申告して、みすみす100点を捨ててしまった。(つまり、誤答に丸がついていた)というのを聞いた。
そのとき私は、お母さんに何とも答えられなくて黙っていた。
その日、授業の後に直接その子に尋ねてみた。
「英語の98点は最初は100点だったの?」
「はい。」
「採点した先生は、何て言った?」
「ごめんって言ってくれました。」
「そう。じゃ、100点はクラスに何人いたの?」
「いなくなりました。」
「・・・うーん。それは痛いなぁ。」
別れ際に、その子にこう声をかけた。
「さっきの話ね、100点を逃したのは痛いと思ったけど、私はウチの生徒が学年で1位をとったときよりも、聞いて感動したなぁ。」
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