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裏話その四

「感想文恐怖症」

 私は「感想文」が書けない子どもだった。

今更ながら、もう少し深くその理由について回想すると、「書くべきことを思いつかない」から、「書けない」のであったのだと思う。

「何でも良いから、これを読んで思いついたことを書きなさい」
というようなアドバイス。
小学生の頃、まだ少しはまじめに勉強をしようとしていた頃に、母親からそういわれると途方にくれた。
読んで意味が分からないわけではない。興味のないことに対して感想を持つことができないし、持ちたくもないのだ。

「だって、別に何も思わないんだもん」
無理やり何かを「思おうとする」こと、「思わされる」ことがいやだったし、できなかった。

「ふうん。そうなんだ」
と、思うだけで済ませて生きてきた


だから、感想文もたったひと言、

「そうなんだ」
で、済ませたかった。

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